# 1つのノートアプリにすべて集約するのをやめた理由|2025年時点のノートアプリの使い分け URL: https://webrandum.net/note-app-2025/ 公開日: 2025-07-18 更新日: 2025-07-18 カテゴリー: 作業環境整備 タグ: Keyboard Maestro, Notion, Obsidian, UpNote 出典: Webrandum(著者: サイトウ マサカズ) ## この記事の要約 - 3つのノートアプリを下記のように使い分けている 書き捨てメモの場合はUpNote - 情報を整理・保存する場合はNotion - 学習用のノートはObsidian - 1つのサービスに固執するのではなく、良いところをつまみ食いするような形で使っている ノートアプリと言えば、Notionを使っている人が多いのではないでしょうか。 最近はAIとの連携のしやすさからObsidianも流行ってきているので、Obsidianを使い始めたという人もいるかもしれません。 私は2023年12月にEvernoteがフリープランのノート数・ノートブック数の大幅制限をしたタイミングで、Notion・Obsidian・UpNoteの3つのノートアプリを併用するスタイルに変わりました。 1つのアプリにすべての情報を集約するのではなく、それぞれのノートアプリの特徴に合わせて、書く内容を分けるようになったのです。 今回は2025年時点での私のノートアプリの使い分けについて、考え方から紹介します。 ## すべてを集約するのに失敗した過去 「すべてを1つのノートアプリに集約する」と聞いて真っ先に思い出すのがEvernoteです。 Evernoteは2008年に正式リリースされたノートアプリで、ノートといえばEvernoteというレベルで普及していた時代もあります。 私は2011年頃から使っていました。 当時学生ながら「すべてを記憶する」というEvernoteの理念に惹かれ、メモ・日記・ウェブクリップ・授業ノートに至るまで、すべてまとめていました。 しかし徐々にEvernoteは衰退していき、決定的だったフリープランの大幅制限のタイミングで移行することになります。 当時Markdown記法にちゃんと対応していなかったり、同期面でやや不満がありつつもギリギリまでEvernoteを使っていた理由は、「それまでに溜めたノート達があったから」です。 保存しているノートが少なかったら、もっと早くNotionに徐々に移行していたかもしれません。 その経験があるからこそ、「次はNotionにすべてをまとめるか?」と選択を迫られたとき、別に一箇所にまとめなくていいんじゃないかという考えに至りました。 また、移行先を検討するときに昔に比べて選択肢が増えているのも感じました。 さまざまなノートアプリがあるのに、わざわざ1つに決めてそこにすべて任せる気にもならなかったのです。 ## すべて集約するメリットはあるのか? 一箇所にまとめていると、とりあえずそこを検索すれば何かしら引っかかるようになるので、思い出せないこと・記憶が曖昧なことでも検索から見つけやすくなります。 しかし、いざまとめ始めると、一箇所にまとめること自体が目的になり、多少強引にでもそのサービスで何とかしようと無理矢理な使い方をしてしまいます。 いまはいろんなサービスがある時代ですから、アプリによって便利な機能や特徴があります。 1つのアプリにこだわらずにそれぞれの特徴をうまく引き出しながら活用していけばいいのではないでしょうか。 データの移行やエクスポートができるサービスも多いですし、用途に合わせて使い分け、もっと他に良いサービスが出てきたら良いタイミングで移り変わっていく方針になりました。 ## ノートを書く目的はさまざま 「ノート」と一口で括っても、ノートを書く目的はさまざまです。 - 情報をまとめて見やすくする、整理のためのノート - 社内のメンバーなど、他の人と情報共有するためのノート - とにかくスピード重視でサッと書いて、時間が経てばあまり見返さなくなる書き捨てのメモ - チャット前の下書きなど、一時的な中間地点としてのメモ - 勉強した内容を忘れないために記憶に定着させるための学習ノート それぞれ目的は大きく異なります。 よくよく考えると、これだけ目的が違う内容を一箇所に集めるのは難しいです。 例えば、Notionはデータベースを使って情報をキレイに整理することには向いていますが、独自のMarkdown記法を採用していたり(「`>`」を使うと引用ではなくトグルになる)、コピーして別の場所にペーストすると段落ごとに余計な改行ができるなど、他のアプリにコピペして持っていくときに不便です。 また、Notionは個人的に「キレイにまとめなければいけない感」が強すぎます。 ちょっとしたメモ書きなのに、どこにまとめようか考えてしまったり、適当に書くとあとで面倒なことになりそうで、内容よりも場所や体裁に気を取られます。 それに対して、UpNoteは通常のプレーンテキストでのコピー・ペーストとは別に、Markdownでのコピー・ペーストが用意されていて、ショートカットキーも用意されています。 機能がシンプルで動作も軽く、ノートを書き始めるまでのスピード感も良い感じです。 書き捨てのメモや、コピーして他の場所に持っていく前提の下書きはUpNoteの方が向いているでしょう(その変わり、Notionのように情報キレイに整理することには向いていません)。 また、Obsidianはノート間をリンクして管理することに向いています。 学習用など、ノートを細かく分割して、自分の思考を整理しながら理解を深めていくのに使えます。 このように、アプリによって特徴は違うため、ノートの目的に応じてアプリを使い分けた方が特徴を最大限活かせます。 逆にいままで、バラバラの目的を1つのノートアプリに背負わせようとしていた方が異常だったんじゃないかとさえ思えてきます。 ## 使っているノートアプリとその使い分け ここからは2025年時点で実際に使っている3つのノートアプリと、具体的にどのように使っているかを紹介します。 ### Notion:情報をキレイに整理する目的 ![](https://webrandum.net/mskz/wp-content/uploads/2025/07/image_1-1024x541.png) 先ほど紹介したように、Notionは情報をキレイに整理することに特化しています。 データベース機能が強力で、公式サイトに書かれているように「ワークスペース」として進化してきています。 - メリット データベース機能による情報整理が強力 - Notion AIを活用して文章生成やミーティングノートを作成したり、検索に活用できる - 装飾が多くてキレイに整理できる - チームでの情報管理に便利 - デメリット 独自の装飾が多かったり、他の場所にコピペ前提なら微妙 - 独自のMarkdown記法を採用している(「`>`」を使うと引用ではなくトグルになる) - やや動作が重かったり、たまにおかしな挙動をするときがある 一時期、タイトルを入力していると1文字入力した後に自動的に先頭にカーソルが移動してしまうことがあった - ネットに繋がっていないとノートが開けない #### 書く内容は情報整理 読書ノートや参加したセミナーのノートなどをデータベースを作成して管理しています。 データベースには「プロパティ」と呼ばれる項目を設定でき、情報をキレイに整理できます。 あとからの検索やフィルタリングも非常にしやすくなります。 また、ノートを複数カラムに分割したり、コールアウトという装飾もあってとにかくノートをキレイに書くための機能が数多くあります。 他サービスの埋め込みも充実していて、Notionの外に出ず、すべてNotion内で完結させるなら非常に便利です。 #### 社内でのNotion利用 あとは社内でNotionを使っているので、他のメンバーと共有する情報や、プロジェクトのタスク管理などはNotionを使うことになります。 UpNoteはチームプランのようなものはありませんし、Obsidianはチームプランはあるものの、やや高めの金額です。 そもそもObsidianはPKM(Personal Knowledge Management:個人の情報管理)に特化しているため、チームで使うメリットをあまり感じていません。 他の選択肢として、Microsoftが出しているNotionライクなサービスである[Microsoft Loop](https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-loop)もあります。 Microsoftを契約していて、Microsoft製品との連携を意識したい会社は使っているかもしれません。 ### UpNote:とにかくスピード重視の書き捨てが目的 ![](https://webrandum.net/mskz/wp-content/uploads/2025/07/image_2-1024x541.png) ![](image_2.png)UpNoteはシンプルで動作が非常に軽快なノートアプリです。 Evernoteライクな部分もあり、EvernoteからNotionに移行した人が多い中、一部ユーザーはUpNoteへ移行したようです。 月額課金で100円で、買い切りなら3500円です。 ノート数が50個までなら無料でも使えるので、お試しで使ってみてからの検討をオススメします。 - メリット とにかく動作が軽くてサクサク動く - 通常のコピー・ペーストとMarkdownのコピー・ペーストを使い分けられる - 機能がシンプルで使いやすい - デメリット 添付ファイルが最大20MB - タグの階層化ができなかったり、複雑な使い方には向いていない #### 書く内容はメモが基本 仕事用フォルダも、すべて書き捨て用のノートです。 一時的なメモだったり、チャット・メールの下書きなどです。 例えば、私はタスクが割り当てられたときにそのタスクをさらに細分化します。 この方がやることが明確になって効率が上がりますし、タスクを細分化していく中で「これって確認取っといた方がいいな」と気がつくこともあるからです。 #### ノートブックの分類 ノートブック(フォルダ)とタグによる分類が可能ですが、私の場合は下記の通り最低限の下記ノートブックだけにしています。 ![](https://webrandum.net/mskz/wp-content/uploads/2025/07/image_4.png) - Inbox:何でも入れてOK - Work:仕事関連(基本的にサブノートブック内に追加する) Coaching:コーチング用 - Daily:仕事用の日々のタスク整理用ノート置き場 - Project:仕事関連のノートはすべてここに書く - Side:副業関連 - Chat:チャットの下書き用 ### Obsidian:理解を深めるための学習用ノートを作るのが目的 ![](https://webrandum.net/mskz/wp-content/uploads/2025/07/image_3-1024x541.jpg) ![](image_3.png)ObsidianはPKM (Personal Knowledge Management:個人の情報管理)を目的としたノートアプリです。 特徴は「他ノートへのリンクがしやすいこと」と「データをすべてローカルに持つこと」です。 Wikiリンクが使えて「`[[他ノート名]]`」でリンクできますし、 「`![[他ノート名]]`」で他ノートの内容を埋め込むこともできます。 1つのノートに全部書いていくのではなく、細かくノートを分けてそれらを紐付けて管理していくネットワーク型のノートアプリです。 また、ローカルにすべてのデータを保存することになります。 Finder上に1ノート1Markdownファイル(`.md`)で作成され、プラグインの設定や画像まですべてローカルに持ちます。 この仕様がAIにデータを読み込ませやすいということで、最近AIとの連携で話題になっています。 #### 書く内容は学習用ノートだけ Obsidianは学習用のノートだけを書いています。 Notionの使い分けで悩むかもしれませんが、例えばセミナー受講時のノートはNotionに書きます。 これはあとで振り返るときに「このセミナーで何が言われていたか」を書きたいからで、そこから学んだエッセンスや、出てきた用語をObsidianに1つずつノート化して書いていきます。 こうすることで、あとで振り返るときに「あのセミナーの内容ってどんな感じだっけ?何を言っていたっけ?」となったときはNotionで見返せるようになります。 Obsidianにはある程度一般化したノートが出来上がっていくので、他のセミナーや書籍・記事で言われた内容も足したりリンクしていって、自分の理解を深めていきます。 逆に言えば、うまく一般化したノートを作らないとノートへのリンクは増えず、孤立したノートになってしまって理解は進みません。 Obsidianにはノートのリンク状況をグラフで可視化する機能があり、試しに現在の私の状況を見てみると、下の画像のようになります。 ![](https://webrandum.net/mskz/wp-content/uploads/2025/07/image_5-1024x836.jpg) 1つ1つの点が1ノートで、それらがリンクしてつながっています。 この辺りの考え方や日々のノートの管理方法などまで語り出すと長くなるので、Obsidianに関してはまた別の記事で詳しくまとめた方がいいかもしれません。 #### 似た思想のノートアプリ Obsidianのようなネットワーク型のノートアプリは他にもあります。 Obsidianはカスタマイズ前提ですし、プラグインもかなり導入してちゃんと設定したり、場合によっては自分でコードを書いた方がもっと便利に使えるようになるので、かなりエンジニア向けのノートアプリだと感じています。 いろいろ試してみて、自分に合うものを使いましょう。 - [Logseq](https://logseq.com/) - [Roam Research](https://roamresearch.com/) - [RemNote](https://www.remnote.com/) - [Tana](https://tana.inc/) ## 複数アプリを使うときはショートカットキーを揃える ノートアプリに限らず、複数の類似アプリを使うときはショートカットキーを揃えていくのがポイントです。 私の場合はKeyboard Maestroを使って、基本的な機能のショートカットキーを揃えるようにしています。 ### 共通の装飾は同じショートカットキーにする 例えば、UpNoteでは箇条書きリストがcommand + 7、番号付きリストがcommand + 8に割り当てられています。 これをすべてのノートアプリで箇条書きはshift + command + U、番号付きリストはshift + command + Oになるようにしています。 ![](https://webrandum.net/mskz/wp-content/uploads/2025/07/image_6-1024x495.png) ### 見出しのショートカットキーを設定する 見出しに関しては、control + option + 数字キーに設定しています。 見だしレベルが2であれば、control + option + 2です。 これはWordPressエディタのショートカットキーです。 WordPressエディタはショートカットキーを変えられない(変えるにしても手間がかかる + サイトごとに設定が必要になる)ので、このショートカットキーを基準にして他のノートアプリを合わせるようにしています。 ![](https://webrandum.net/mskz/wp-content/uploads/2025/07/image_7-1024x589.png) ## 1つのサービスに固執しない - 書き捨てメモの場合はUpNote - 情報を整理・保存する場合はNotion - 学習用のノートはObsidian このように使い分けているので、検索するときは一段階フィルタリングした状態から検索できます。 「AIがどんどん発展してくるから、1箇所にまとめることでその情報をAIに学習させて便利に使えるようになる」という意見もありますが、MCPなどAIとの連携機能も今後は普及していくと思っているので、AIのためにわざわざ1箇所にまとめておく必要はなくなっていくんじゃないかなと思っています。 1つのサービスに固執するのではなく、良いところをつまみ食いするような形で付き合っていくのが2025年時点の私のノートの使い分け方です。