WebDesigner's Memorandumウェブデザイナーの備忘録

【後編】もうライティングで困らない!説得型ランディングページとアフィリエイター活用で売り上げアップ【CSS Nite in KOBE, Vol.25】

アフィリエイターを味方につけて売上を拡大する集客方法

CSS Nite in KOBE, Vol.25前編の住さんのセッションに引き続いて後編は鈴木珠代さん(http://tamayosuzuki.strikingly.com/)の「アフィリエイターを味方につけて売り上げを拡大する集客方法」のセッションになります。

もう今の時代、どの企業も広告やLPには力を入れるようになってきています。そこでアフィリエイターを味方につける事で企業の売り上げを伸ばす方法について学びました。

鈴木珠世さんのセッション

鈴木さんはコミュニケーション・マーケティングコンサルタントという仕事を現在されていて、アフィリエイターに仕事を依頼するサービスのASP(アフィリエイト・サービス・プロパイダー)でも2社働いていた経験があるそうです。

アフィリエイト広告って何?

まずそもそもアフィリエイト広告って何なの?という事ですが、アフィリエイト広告というのは、ネット上で商品の紹介を行っている人(アフィリエイターと呼ばれる人)が、自身のサイトで指定されたリンクを貼って広告主のページにユーザーを誘導。成果が発生したら報酬が支払われるという仕組みの事です。

あくまで成果報酬なので、売れないとアフィリエイターの方には報酬は出ません。費用対効果がもの凄く明確なのが特徴です。

ちなみに日本で最も有名なASPがA8.netというサイトです。

法人・個人のアフィリエイター

アフィリエイターには大きく分けると法人・個人の2種類存在していて、法人媒体だと「価格.com」や「永久不滅.com」などが挙げられます。

個人媒体だとレビュー系のサイト・ブログが挙げられます。そして基本的にアフィリエイターのサイトは、かなりターゲットを絞り込んでいるのが一般的です。
価格.comがアフィリエイトサイトなんですね。アフィリエイターというと個人のブログやWebサイトを運営している人を思い浮かべてしまうのですが法人でも存在するんですね。

法人媒体と個人媒体では、アフィリエイターの手法が大きく異なっていて、法人媒体の場合は大量の商品を比較したりする数で囲い込む傾向が強いのに対して、個人媒体では専門性が高くて消費者の立場で新しい商品の気づきを与えたり、ターゲットが求めているものを紹介する傾向にあります。

消費者の視点に立って商品やサービスを紹介するので、有力なアフィリエイターは優秀なセールスマンですが、アフィリエイトの世界はシビアなのでASPに登録する前にリスティングから始めた方が良いと仰っていました。
これは考えてみれば当然ですが、アフィリエイターの立場からしてみれば紹介しても買ってくれなければ自分の収益になりませんから紹介する商品は「売れる商品」の方が絶対いい訳ですよね。

つまりリスティングである程度売れる商品にした上でじゃないとそもそも紹介してもらえないのです。そう考えると広告主はアフィリエイターに選ばれる立場にあるんですね。

アフィリエイターに選ばれる

アフィリエイトで売り上げを伸ばしている企業は、どこもアフィリエイターに選ばれるための活動を行なっているようです。例としては

  • 適正な成果報酬
  • 掲載のための情報提供
  • 商品体験
  • キャンペーン

などなどです。
報酬が適正なのは勿論ですが、掲載のための情報はアフィリエイターに取って物凄く重要らしいのです。いくら報酬が良くてもアフィリエイターは成果報酬型なので売れなければ意味はありません。
売るための必要な情報はちゃんと提供してもらえるのか、人によっては購入までの流れがスムーズなのか、商品購入のフォームまでチェックする人もいるみたいです。

そして商品体験のイベントやキャンペーンも重要ですが、キャンペーンを多くしすぎてしまうと目的がボヤけてしまってアフィリエイター側からすると「とりあえず売れればいい」ようにしか見えないので注意が必要です。

ASP選択の時点でできる事は決まってしまう

ASPを選択する時に注意しなければならないのが「安いASPに入ってしまうと機能が少ない場合がある」事です。
そしてASPの引っ越しはアフィリエイターから物凄く嫌われてしまいます。ASPを引っ越すという事は今までアフィリエイターが貼ってきたリンクを全て貼り直さないといけないので手間になってしまうんですよね。

そして引っ越しではなくアフィリエイトからの撤退も嫌われてしまいます。これは折角書いた記事が無駄になってしまいますから当然怒ってしまいます。
最悪の場合、以前書いた記事の下に追記で「もっと良いこちらの商品がありました」他の競合商品へ流されてしまう可能性もあります。

ASPは引っ越しや撤退はせずに、どうしてももっと多くの機能が必要な場合は他のASPの追加をしましょう。

もし予算投下が可能な場合は、まず最初の時点で法人媒体と提携可能なASPを選択して、法人媒体に予算を寄せて「固定費+成果報酬」で掲載を依頼していった方が良いでしょう。

アフィリエイターの視点に立ってみる

ASPに登録した後に自身もアフィリエイトに登録してみると、自社プログラムがアフィリエイターからどう見えるのか分かりますよね。
そして競合他社の人気プログラムと提携してみる事で、競合がどのような事をしているのか分かるので勉強になるそうです。住さんのセッションでもありましたが、やはり競合がどのような事を行っているのか参考にするのが1番のようですね。

アフィリエイトで売り上げを伸ばす

そしてアフィリエイトで売り上げを伸ばす流れは、①アフィリエイターの提携数を増やす→②稼働率を上げる、この2つの繰り返しで伸ばしていく流れになります。

提携数というのはアフィリエイターが「この会社の商品を紹介したいです!」と手を上げてくれて(提携申請)、企業が承認して(提携承認)実際にアフィリエイトプログラムを利用して商品を紹介してくれる可能性のある人数の事です。
それに対して稼働率というのは、提携してくれたアフィリエイターのうち「実際に自身のWebサイトやブログで商品の紹介をしてくれている率の事です。

要は、「商品紹介に協力してくれる可能性のある人数を増やす」→「実際に紹介してくれている割合を増やす」この繰り返しで売り上げを伸ばしていくというわけです。

まずは200サイトを目標にして提携を増やしていくのが良いみたいです。ちなみに提携してくれたアフィリエイターのうち、実際に掲載してくれるのは2割ほどが一般的なみたいです。
余談ですが、セッションを聞いていて面白いなと思ったのが、どんな大きな会社でも中小の規模の会社でも成果が上がるサイトは20サイトほどなんだそうです。

優秀なアフィリエイターとだけ提携したい?

よくある間違いとして「優秀なアフィリエイターとだけ提携したい」「勝手にどんどん効果が上がっていってほしい」と思う企業が多いみたいなのですが、広告主は選ばれる立場なんですよね。

先ほども言いましたが、アフィリエイターは報酬だけじゃなく話題性や売りやすさ・買い回しのしやすさなどのあらゆる条件で選んでいます。だから成果報酬をとりあえず最大にしておけばいいというわけではありません。ある程度上げ下げできるようにしてバナーを用意したり、必要な情報をきちんと用意しておく事が重要になってくるんですね。

他には商品を紹介する時の「単語」も必要です。「キャッチコピー」は最初から決めて提供するよりもアフィリエイターに考えて貰った方がいいので、キャッチコピーよりもその商品を説明する時の「単語(押し)」を用意しておくと良いです。

スケジュール管理を行う

「商品が売れにくい時期になったからこの時期はアフィリエイターに頑張って貰って売り上げをカバーしよう」これでは売り上げは上がりませんよね。そもそも売れにくい時期にアフィリエイターの方も一生懸命商品を売ろうとはしません。

売れてる商品をより売るのがアフィリエイト広告ですから、売れていない商品は結局売れません。年間スケジュールを立てて売れている時期に成果報酬を上げてどんどん紹介して貰い、売れにくい時期にはアフィリエイトサイトの提携数を増やしていく事が重要です。

他にもキャンペーンを行う時にはしっかり準備してから行わなければなりませんし、行うのであれば最低でも1ヶ月は行う必要があります。というのも、アフィリエイターには普段会社勤めをしながら休みの日にアフィリエイターとして活動している方もいます。商品を使ったり記事を書くのにある程度時間はかかるわけですし、うっかり忘れていたという事もあるので、興味はあったのに参加できずに終わってしまう方が大勢できてしまいます。

しっかりスケジュールを管理して運用しましょう。

メルマガを行う

これは先ほどの「ASP選択の時点でできる事は決まってしまう」の項目でも言ったのですがASPによってできる事とできない事があります。その中でも出来ないと致命的なものがメルマガです。

  • メルマガができるASP
  • 担当者に代行で行ってもらえるASP
  • メルマガはできないASP

この3種類のASPがあるのですが、自分でメルマガが行えるASPの方が絶対に良いようです。メルマガを通して「売りやすい・売るための情報」を提供する事で稼働率が上がりますし、アフィリエイターの方に忘れられないためにも重要だったりします。

僕も色んなWebサービスに登録していたりするのですが、自分が何に登録したかって案外覚えてなかったりするんですよね。でもメールが登録したWebサービスから送られてくると「そういえばこんなの登録してたな」と思い出したりします。それと一緒なんですね。

そして勿論ですが、エンドユーザー向けのメルマガとアフィリエイター向けのメルマガが同じ内容だともったいないです。アフィリエイター向けのメルマガに載せておきたい情報としては…

  1. 売れ筋商品
  2. その商品(サービス)は誰が購入しているのか
  3. その商品(サービス)を購入する理由
  4. サイトに訪れるユーザーの傾向
  5. 売れる時期
  6. セール情報
  7. お客様の声
  8. サイト名・URL・連絡先(ASPによってはNGな場合もあるので要確認)

等の情報です。そして継続的に配信をする事と発行周期は決めておいた方が良いです。
ちなみに今メルマガを発行するなら月曜日か火曜日が良いそうです。これは、木曜日と金曜日に皆メルマガを発行するので折角送ったメルマガも、他のメールに紛れてしまう可能性があるからだそうです。

コミュニケーションを取ろう

最近ではアフィリエイターと企業がコミュニケーションをとるためのASP主催イベントも行われているそうです。売り上げに直接的な効果はありませんが、実際に対面する事でどんな事に注力できるか知ることができます。
そこまで毎回参加する必要は無いみたいですが、たまには参加してみて直接のコミュニケーションを取ってそれを活かす事が重要ですよね。

他にもモニターと言って新商品をアフィリエイターの方に一定期間使って貰い感想をブログ等で記事にして貰ったり、高額の商品の場合は商品の貸し出しを行うことで紹介して貰いやすくなったりもします。

まとめ

  • アフィリエイトは運用する事で初めて効果がある
  • 広告主は選ばれる立場にある→選んで貰える工夫が必要
  • ASPによってできる事は違ってくるので注意して選ぶ
  • 提携数を増やして稼働率を上げるのがアフィリエイトで売り上げを伸ばす基本の流れ
  • 情報提供は必須(バナーやテキスト素材を用意してメルマガ等も行うと良い)

僕はアフィリエイトに関しての知識は、ほとんど0の状態でこのセッションを受けたのですが、今の時代誰でも情報発信ができるようになったからこそできる新しい広告の手法なわけですよね。そしてただ漠然と「アフィリエイトってなんかリンク貼って売れたらお金入るやつでしょ?」というイメージを思い浮かべていたアフィリエイターという存在ですが、買い回しのしやすさまで考えていたり凄い人は本当にきちんと考えて活動しているんだと衝撃を受けました。

売れ出した商品を更に売っていくための手法として今後益々盛り上がっていきそうです。

[CSS-Nite]

著者について

プロフィール画像

サイトウ マサカズ@31mskz10

1997年生まれ。2016年から専門学校でデザインについて勉強。卒業後は神戸の制作会社「N'sCreates」にウェブデザイナーとして入社。このブログでは自分の備忘録も兼ねて、ウェブに関する記事や制作環境を効率的に行うための記事を書いています。

Twitterをフォロー Facebookでいいね