【前編】もうライティングで困らない!説得型ランディングページとアフィリエイター活用で売り上げアップ【CSS Nite in Kobe】
CSS Nite in Kobe vol25「もうライティングで困らない!説得型ランディングページとアフィリエイター活用で売り上げアップ」に参加してきました。今回は製作者向けの内容というよりは、運用者向けの内容になっています。
今回の登壇者
今回、登壇してくださるのはWebマーケティングコンサルタントの住 太陽さん(searchengineoptimization.jp)とコミュニケーション・マーケティング・コンサルタントの鈴木珠世さんです。
住太陽さんにはランディングページにおいて最も重要なライティングについてのお話をしてもらい、鈴木珠世さんにはアフィリエイター・アフィリエイトに関する内容をお話していただきました。
前編の住さんのセッションと後編の鈴木さんのセッションではで少し内容も変わってきますし、今回はこの記事の方も前編後編で分けて投稿しようと思います。
セッション内容
今回のセッション内容は主に製作者向けの内容というより運用者向けの内容で、ライティングとアフィリイタの方に協力してもらって商品の販売促進を測る方法です。
住太陽さんのセッション
まずは住太陽さんのセッションから。ちなみに住さんはCSS Nite in Kobe vol.3でも登壇されています。
1999年にWebデザイナーとして独立し、今でいうSEOと出会い、2013年に制作中心からコンサル中心になった方です。
そしてそんな住さんのクライアントはSEOマニアばかりで具体例として、
- トラフィックは無料だと思っているせいでコンバージョンを取りこぼしてもそれを大損だと思っていない
- コンバージョン率の低いサイトにトラフィックを流し込む事に必死になっってしまっている
- 記事の執筆などのSEOに時間を取られ、コンバージョン獲得のための施策がおろそかになっている
といった状況の方が多いようです。
いくらサイトにトラフィックを流しても実際の売り上げに繋がらないのでは本末転倒ですよね。
住さんはSEOの前にやるべき事として、やりたいサイトは「分かるサイト」か「売れるサイト」どちらにしたいのか決める必要があると仰っています。
分かるサイト?売れるサイト?
世の中のサイトは大きく分けて「分かるサイト」と「売れるサイト」に分ける事ができて、分かるサイトは情報を伝えるためのサイト。いわゆるニュースサイトや情報サイト、キュレーションサイトなどの事でこのようなサイトはPVが増えると収入が増えます。
それに対して売れるサイトというのは、商品やサービスを販売する事が目的のサイトで、リスティング広告などと相性の良いサイトです。このようなサイトはCVが増えると収入が増えます。
そして、一般的な企業が運営するほとんどが売れるサイトです。つまり世の中のブロガーなどが掲げるSEO対策を参考にしても全く意味がない(そもそもの目的が違う)という事になります。
自分たちが分かるサイトを作りたいのか売れるサイトを作りたいのか決めて、サイト運用の目的をブラさないようにし、売り上げを向上するための施策を続けていく必要があります。
そして、ここから先の内容は「売れるサイト」を制作するためにどうすれば良いのかという内容です。
クエリの種類
少し内容は変わりまして、クエリ(ユーザーが入力する検索キーワード)には3つの種類があります。
インフォメーショナルクエリ | 知識や解決策を知る事を意図。原則SEOで狙う。 |
---|---|
ナビゲーショナルクエリ | 特定のサイトやコンテンツへの移動を意図。 |
トランザクショナルクエリ | 商品を物色する検索・取引を意図。SEOで狙うよりリスティング広告で狙ったほうが良い |
そしてその検索量はインフォメーショナルクエリが1番多く、次にナビゲーショナルクエリ、トランザクショナルクエリとなっていますが、トランザクショナルクエリは現在検索数が圧倒的に少なくなっています。
というのも、ユーザーは何か欲しいものがある時にGoogleで検索するよりもAmazonや楽天などの通販サイトで検索する事の方が一般的になっているからです。
ですから、そんな圧倒的に少なくなっている検索キーワードはSEOで狙うよりも、リスティング広告で確実に狙っていった方が効率が良いという事になります。
検索結果の変化
クエリには3つの種類があるという事を踏まえて、検索キーワードに対しての検索結果がどのようなもか考えてみると、今の時代、ニッチなジャンルならSEOでもやっていけますが、一般的なキーワードで上位表示は難しいのです。
そして、先ほど出てきた「インフォメーショナルクエリ」「ナビゲーショナルクエリ」「トランザクショナルクエリ」の3種類をGoogleは2年ほど前から自動で判断して調べ物をしている人に対しては広告を表示させないようにしているのです。
このような事をしている理由として、Googleは自社の検索エンジンを使って欲しいのでユーザーが調べ物をしているのに商品の広告ばかりが表示されて鬱陶しく感じないようにしたいからなのです。
少し脱線しますが、Yahoo!はこのような施策を行わなかったので、スマホの検索エンジンでYahoo!をみる事はパタリとなくなりましたよね。
このような施策をGoogleが行なっているので、「売れる」を目指すのであれば広告でトランザクショナルクエリを抑えてCVを伸ばす事が基本となります。インフォメーショナルクエリでは広告は表示されにくいですからね。
サイト運用とCV最適化の秘訣
Webサイトは作って終わりではなく、利用者の行動や意見を反映しながら進化し続けるもの。サイトは永遠のベータ版だとWeb2.0でよく言われていましたが、まさにその通りでこれはどのサイトにも共通して言える事だと思います。
そして売れるサイトの運用は「よりスムーズに、より確実に、より多くのCVが取れるように改善し続ける」必要があります。
運用型広告はなぜ「運用」なのか?
「運用型広告(パフォーマンス形広告)」という形の広告が近年主流になりつつあります。運用型広告はリアルタイムに入札額や広告クリエイティブ、ターゲット等を変更・改善しながら運用し続けていく広告の事でいくつか例を出すと…
- リスティング広告
- ディスプレイ広告
- Facebook広告
- Twitter広告
- YouTube広告
など近年の広告のほとんどが挙げられます。
そして、こうした運用型広告の「入札額」「広告クリエイティブ」「ターゲット」「ランディングページ」などの要素はそれぞれ単体では最適化する事はできなくて、必ず連動して最適化する必要があります。具体的にどういうことか見てみましょう。
コンバージョン最適化の基本
コンバージョンを最適化するためにはターゲティングとキーワードとランディングページの3つの要素が重要になってきます。そしてこの3つの中のどれか1つでも欠けているとコンバージョン率は著しく低下してしまいます。
- ターゲティング(誰を)
- キーワード
- 属性
- 行動
- キーワード(どう誘って)
- 広告コピー
- バナー
- ランディングページ(どう売るか)
- 商品ページ
- サービス案内ページ
これら3点のうち、1つだけ最適化しても効果はあまりありません。3点をまとめて同時に最適化する。「誰をどう誘ってどう売るのか」の一連の流れが一気通貫しているのかが大事です。
同じようなお話は前回のCSS Nite in Kobe vol.24「売れるウェブサイトは戦略を映している」でも出てきましたね。
連続性を持たせてこその最適化
同時に最適化するってどういう事?という事で実際にどのような手順で最適化を行うのかの例を挙げていただきました。
- どう売るか(ランディングページ)を起点にして誰を(ターゲティング)どう誘うか(広告)考える
- 誰に売るかを起点に(ターゲティング)、どう誘って(広告)どう売るか(ランディングページ)
- どう誘うか(広告)を起点に、誰に(ターゲティング)どう売るか(ランディングページ)
このように連続性を持って最適化する事ができると、ユーザーは行動を起こしやすく、逆に連続性がなくバラバラに最適化していくとユーザーは行動しにくくなります。
当たり前のように思われますが、このバラバラの最適化に近い事を行なっている人が実はすごく大勢います。
よくあるバラバラの最適化の例として「ランディングページに手を入れずにターゲティングと広告だけを最適化する」パターンを挙げていました。ターゲットが変われば、それに合わせてランディングページも変わってきます。これだとどんなに「ターゲティング」と「広告」を最適化してもCPAは改善しません。
広告代理店に任せっぱなしだとこのような状態になりがちだと住さんは仰っていました。確かに広告代理店が行える事は、ターゲティングを設定する事と広告を最適化する事。つまりランディングページがどうしてもネックになってしまいます。いかにしてターゲットと広告に合わせてランディングページも最適化できるかどうかが重要です。
説得型ランディングページの構造
さて、ランディングページが広告に置いて大抵ネックになりがちという事で、今度は説得型ランディングページの構造についてのお話ですが、その前に「説得とは何か?」の定義からですが、説得とは「相手が納得して行動を起こすための働きかけ」の事です。つまりただの説明や商品紹介だけでは説得とは言えません。
次にそもそものランディングページの目的ですが、販売や問い合わせなど、反応獲得に特化し、有料のトラフィックに耐える高いコンバージョン率を目指すページです。
ランディングページというと縦長のページを思い浮かべる方も多いと思いますが、これは必要な情報を1ページ内に揃える事で訪問者がスムーズにコンバートする狙いがあるからと、ここ2.3年で重要になってきたスマートフォンの影響もあるからだそうです。
何ページもあるサイトにして、あちこちにリンクを貼ってしまうとユーザーからすると「次はどこをクリックすればいいのか?」考えてクリックしてWebサイトを回遊する必要が出てきます。これだとユーザーの集中力が切れて離脱されてしまいます。
PCだとある程度集中できる環境にいる事が想定できましたが、スマホからのアクセスの場合はユーザーが外出先で見ている可能性も十分考えられます。ユーザーに余計な事を考えさせず順序よく情報を伝えていく事がランディングページの目的なのです。
そしてそのためには伝える事とその順序が重要になってきます。順序がめちゃくちゃでは買い手は理解も納得もできませんし、途中で離脱してしまう可能性が高くなってしまいます。
そして勢いではないスムーズな流れで、納得してもらう行動を歓喜する手法には一定の型があります。型にもいろんな種類があるようなのですが、今回はその中から5種類の型を紹介していただきました。
PAS(バズる記事型)
まずはPASという文章の型です。住さんはこれをバズる記事型と呼んでいて、ランディングページではよく見る型になりますよね。名前の頭文字のそれぞれの意味は以下のようになっています。
Problem | 問題を定義する = 興味を引く内容を話して対象者を絞る |
---|---|
Agitate | 問題の深刻さを煽る |
Solution | 解決策を示す(ここで商品の説明が入る) |
まずは問題を定義して対象者の意識をこちらに向けさせます。そしてその深刻さを煽って解決策を示す。
PCAS(セールストーク型)
次にPCASという文章の型で、これはセールストーク型と呼んでいます。セールスマンがよく使う型で一見論理的に見えます。
Problem | 問題を定義する。 |
---|---|
Cause | 問題の原因を説明する |
Amplify | さらに詳しく証明する |
Solution | 解決策を示す |
PAS型よりも更に説明を深掘りしてその解決策として「こちらの商品はいかがでしょうか?」という流れになります。
PCAN(プレゼン型)
次はPCANという型で、これはプレゼン型と呼んでいます。
Problem | 問題を定義する = 興味を引く内容を話して対象者を絞る |
---|---|
Cause | 問題の原因を証明する |
Answer | 解決策を示す |
Net Benefits | 解決策の優位性を示す |
これはB to Bにぴったりの型で解決策を提示するだけでなく、その解決策の優位性を示す事によって商品の魅力を引き立てる事ができます。
QUEST(セールスレター型)
次はQUESTという型で、これはセールスレター型と呼んでいます。
Quality | 絞り込む |
---|---|
Understand | 共感する |
Educate | 啓発する→自分はどうしたのか |
Stimulate | 興奮させる→問題解決した後の生活がいかに素晴らしいのか話す |
Transition | 最後の一押しを行って買わない理由をなくしていく |
他と違ってくるのは最後に問題解決後の生活がいかに素晴らしいのか話すという部分。そして最後の一押しがあるという点です。これは「今なら送料無料!」だったり顧客に取って価値のあるオマケを付ける等の買う側が「これはもう買うしかない!」と思えるような内容を最後に付け加えるという事です。
説得のための要素とその配置
4つの型を見てきましたがこれら全てに言えることは、まず問題を定義して対象者を絞るという事です。そうする事でその商品に関係のない人がその文を読むことは無くなりますし、対象者には自分のための商品なんだと思ってもらえます。
そして、これらの型を意識しながら競合の取り組みを見てみることも重要です。もし競合が少ないジャンルの場合は似たような商品で検索したりして、参考にするという事が一番手っ取り早いですよね。
まとめ
- ターゲティング・クリエイティブ・LPの3点セットで改善し続けるのがCV最適化
- アクションを起こさせる説得を機能させるためにはLP構成する要素とその順番が大切
- 広告クリック前からCVまで訪問者の思考や集中力を切らさないようにする
後半は鈴木珠世さんにアフィリエイターを味方につけて売り上げを拡大する集客方法についてのセッションをしていただきました。記事の方も後半に続きます。
[CSS-Nite]