ATOKで変換時に文章を指摘してくれる「校正支援」タブの設定項目
今回はATOKの環境設定の中にある「校正支援」タブの設定項目をまとめておきます。
最初は「勝手に修正されてしまうと逆にミスの元になるのでは?」と思い、校正支援をオフにしていました。しかし使ってみると精度も高く、「訂正はせずに指摘だけ行う」設定も可能です。
普段のチャットコミュニケーションやブログ記事を書く用途であれば、オンにしておいた方が良さそうです。
校正支援で指摘してくれること
校正支援では下記のような誤った文章を指摘してくれます。
- ら抜き表現や二重敬語の指摘
- 表現の変更
- 誤った用語・用例の指摘
きちんと設定しておけば、意図しないミスは発生しなさそうです。
校正支援の設定場所
メニューバーの入力ソースをクリックして、[環境設定…]をクリックします。
ATOK 環境設定が表示されるので上のタブから「校正支援」を選択します。
ここで校正支援に関する設定を行います。
ちなみに「校正支援モード」を「なし」にすると校正支援を無効化でき、「指摘する(強)」にすると校正支援に関する設定をすべてオンにします(自分での設定不可)。
誤りチェック
「ら抜き表現」をはじめとした誤った文章を指摘してくれます。
項目 | 備考 |
---|---|
ら抜き表現の指摘 | 「食べれる」のような「ら抜き表現」を指摘したり訂正したりします |
さ入れ表現の指摘 | 「終わらさせていただきます」のような「さ入れ表現」を指摘したり訂正したりします |
慣用句・ことわざの誤りを指摘する | 慣用句やことわざの間違いを指摘してくれる |
読み・仮名遣いの誤りを指摘する | 「ふいんき(雰囲気)」のような間違った読みを指摘してくれる |
直前に確定した同音語の誤りを指摘する | 「謝った」のあとに「判断」と入力すると、前の単語は「誤った」だと指摘してくれる |
実際にら抜き表現の指摘時は、下記のような表示が出てきます。
shift + returnを押せば修正した状態で確定されますし、control + Wで解説も表示してくれます(ら抜き表現の説明ですが)。
「直前に確定した同音語の誤りを指摘する」は言葉だけだと分かりにくいですが、「謝った」と入力したあとに「判断」を入力すると、その前に入力した単語と合わせて「誤った判断」じゃないですか?と訂正候補を表示してくれます。
表現の洗練
より統一された読みやすい文章を書くために、助詞の連続を指摘してくれたり、文体の統一設定ができます。
項目 | 備考 |
---|---|
助詞の連続を指摘 | 同じ助詞が続いたときに指摘してくれる |
あいまいな修飾関係を指摘する | 修飾語の係り先があいまいな場合に指摘してくれる |
わかりにくい否定表現を指摘する | 「知らないわけではない」のようなわかりにくい表現を指摘してくれる |
くだけた表現を指摘する | 「頑張ったんで」のようなくだけた表現を指摘してくれる |
重ね言葉を指摘する | 「腹痛が痛い」のような重ね言葉を指摘してくれる |
文体の統一 | 「です・ます調」「だ・である調」に統一されていない場合に指摘してくれる |
自分の場合は表現をできるだけ簡潔にしたいので全てチェックしているのと、「です・ます調」に統一しています。
敬語
不適切な敬語表現を指摘して、キレイな文章にしてくれます。
項目 | 備考 |
---|---|
敬語(尊敬語・謙譲語)の誤りを指摘する | 敬語の使い方が間違っている場合に指摘してくれる |
二重敬語を指摘する | 「いらっしゃられる」を「いらっしゃる」など二重敬語を指摘してくれる |
他の敬語表現への言い換え候補を提示する | もっと良い敬語表現がある場合に候補を提示してくれる |
用語・用例
誤った文章を書かないために、同音異義語の単語に説明文が表示されるようになります。
項目 | 備考 |
---|---|
同音語の使い分けを支援する | 「合う」「会う」「逢う」などの同音異義語に、変換時に説明が表示されるようになる |
よく似た同音語の指摘を行う | 印象が似ている同音語の変換時に他の同音語も表示する |
使い方を誤りやすい表現の解説を行う | 「役不足」「敷居が高い」などの使い方を誤りやすい表現を変換するときに、 control + Wで解説を表示できる |
商標・商品名を指摘する | まちがえやすい商標・商品名を指摘してくれる |
市町村名・企業名など変更された名称を 指摘する | 市町村名や外国の都市名、企業名などで変更された名称を指摘してくれる |
カタカナ語の言い換え候補を提示する | 「イシュー」→「論点」のようにわかりにくいカタカナ語の言い換え候補を表示してくれる |
環境依存文字
他のコンピュータでは正しく表示できなかったり、メールで問題になる可能性のある「JIS X 0208外の文字」を含む候補の設定ができます。
項目 | 備考 |
---|---|
JIS X 0208外の文字を含む候補の指摘・抑制 | JIS X 0208外の文字を含む候補に対しての指摘を設定 |
Unicode固有文字を含む候補 | Unicode対応アプリケーション上でしか正しく表示されない文字の候補表示設定 |
機種依存文字を含む候補 | 丸数字などの正しく表示できない可能性のある文字を指摘するかどうか |
外字を含む候補 | コンピュータにあらかじめ登録されていない文字を指摘するかどうか |
ユーザー登録単語 | ユーザー登録単語や確定履歴内の文字も指摘するかどうか |
印刷標準字体
印刷標準字体に関した変換時に候補の抑制をするかどうかの設定をします。
「識別情報を表示する」を選択すると、「屏風」を入力したときに「屏」の印刷標準字体が「同音語情報」に表示されるようになります。