「ヴィパッサナー瞑想」で自分の感情や身体の感覚を客観視する
前回紹介した瞑想の基本である「サマタ瞑想」が週間付いてきたら、次はヴィパッサナー瞑想をしてみるとよさそうです。
ヴィパッサナー瞑想とは?
名前がなんとも怪しそうな響きを持っているため、はじめて聞いた人は拒否反応を示してしまうかもしれませんが、このヴィパッサナー瞑想はよく聞く「マインドフルネス瞑想」の起源にもなっています。
「ヴィパッサナー」には「ものごとをありのままに見る」という意味があります。
前回紹介したサマタ瞑想が「1つのことに意識を集中する瞑想」で分かりやすいのに対して、ヴィパッサナー瞑想は「ものごとをありのまま明確に観察する瞑想」になります。
「ものごとをありのままに見る」という意味のヴィパッサナーは、インドの最も古い瞑想法のひとつです。この瞑想法は2500年以上も昔、インドで、人間すべてに共通する病のための普遍的な治療法、すなわち「生きる技」として指導されました。
ヴィパッサナー瞑想のやり方
かなり概念的で難しいのですが、自分の中に浮かんだ感情を、考えたり判断せずにありのまま受け入れるイメージです。
- 瞑想をスタートしたら自分の体の感覚や感情を意識する
- 「楽しい」「悲しい」「怒り」などの感情に対して、「良い・悪い」ではなく「いま自分はこういう感情を持っているんだ」と感じとる
- 浮かんでくる感情は「なぜ楽しいの?」「なにが楽しいの?」と具体的にイメージするようにする
- とにかく現状の自分を受け入れることを意識する
サマタ瞑想の場合は「1点に集中しよう」「呼吸に集中しよう」なので分かりやすいですが、ヴィパッサナー瞑想の場合は明確なポイントが分かりにくいです。
自分の場合はやるときによって違いますが、下記のような意識をしています(一例として参考にしてください)。
- イライラしていたら「どんな風にイライラしているのか」「なぜイライラしているのか」明確にする
- イライラすることがいいこととか悪いこととか判断はしない
- いまの気温や空気に触れている感覚を意識する
- 心地よいという感情や、ちょっと暖かいかなとか、外から風が吹いてきてそれが肌に触れる感覚とかに意識を向ける
- 呼吸をしているときに、膨らんだり縮んだりしている自分のお腹の感覚や、各身体のパーツに意識を向けていく
- ただ呼吸に集中するだけでなく、それによって自分に沸き起こる感覚や、反応する身体を意識する
ただ集中するだけでなく、自分がどう感じるとかどうなっているのかに向き合ってる感覚がなんとなく分かるでしょうか?
次のステップとして考えるのがベター
ヴィパッサナー瞑想は概念を理解するところから難しいのですが、自分と向き合うことによるメリットはかなり大きいです。
しかし初心者の人がいきなりはじめると挫折してしまう気がするので、基本的にはサマタ瞑想で「習慣化」することの方が大事です。
まずは呼吸に集中するようにして、慣れてきたら次のステップとして「呼吸単体に集中するだけでなく、呼吸することによって自分がどう感じているか?」みたいに視点を広くして意識するようにしていくとよさそうです。