ATOKの使いやすさに直結する「入力・変換」タブの設定項目
ATOKは設定する項目が多く、どこから手をつけていいか分からなくなってしまいますが、今回はとりあえず、ATOKの環境設定の中で最も基本的な「入力・変換」の設定項目をまとめておきます。
入力・変換の設定場所
メニューバーの入力ソースをクリックして、[環境設定…]をクリックします。
ATOK 環境設定の「入力・変換」タブが今回設定する項目になります。
基本
「基本」の項目では、入力の基本になる設定ができます。
項目 | 内容 | 備考 |
---|---|---|
入力 | 「ローマ字入力」か「カナ入力」か選択 | 「ローマ字入力」一択 |
変換 | 漢字の変換方法を設定する | |
ショートカットキーの表示を変更する | 表示されるショートカットキーで、 機能キーを優先して表示するか文字キーを優先するか選択 | 文字キーの方がホームポジションに近いので、 使えるようになるのがオススメ |
句点 | 「.」か「。」かを選択 | |
読点 | 「,」か「、」かを選択 | |
記号 | 「/」か「・」かを選択 | |
括弧 | 角括弧かカギ括弧かを選択 |
変換について
「変換」に関しては、入力した文字を漢字かな交じりの文章に変換するときの方法を設定できます。
変換方法 | 内容 | 備考 |
---|---|---|
連文節変換 | 通常の入力・変換に特化 | |
複合語変換・固有名詞優先 | 漢字が多く続く複合語の変換に特化 | 「の」「は」などの接続詞も合わせて漢字変換してくれる |
複合語変換・人名優先 | 人名を優先して変換してくれる | ATOK辞書の[固有人姓][固有人名][固有人他]を優先する |
複合語変換・地名優先 | 地名を優先して変換してくれる | 「今日と」より「京都」を優先したりする |
自動変換 | 入力した文字を自動的に変換してくれます |
変換するたびにわざわざ変わるのは面倒なので、「変換モードを自動的に切り替える」にチェックを入れておき、基本的にはATOKパレットから変えるか、こだわりがない人は「連文節変換」で問題なさそうです。
「表現」に関しては、話し言葉で書くときに変更しておくと、変換もそれに合わせてくれるので、かなりラクになります。
- 一般
- 話し言葉
- 話し言葉関西
- 話し言葉北海道東北
- 話し言葉関東
- 話し言葉中部北陸
- 話し言葉中国四国
- 話し言葉九州
入力補助
「入力補助」では、入力時の設定やコメント・キーボード配列などの設定ができます。
項目 | 内容 | 備考 |
---|---|---|
テンキーからの入力を必ず半角にする | テンキーで数字を入力したときは半角になります | |
固定入力では確定文字を入力する | 固定入力の場合に、読みが確定した段階で確定されるようになる | |
かなキーの2度押し機能を使用する | かなキーを2回押すと、かなに変換されるようになる | |
英数キーの2度押し機能を使用する | 英数キーを2回押すと、アルファベットに変換されるようになる | |
スペースバーで入力する空白文字の全角・半角 | スペースの全角・半角の設定 | 「常に半角」「上記の逆」がオススメ |
特にスペースバーの設定は必須です。
意図せず全角スペースが入ってしまうのはかなり邪魔ですし、全角スペースを入力することはほとんどないので「常に半角」に設定しておいて、全角スペースを入力したいときはshift + spaceで意図して入力するようにしましょう。
コメント形式
ユーザー単語登録時に、コメントも一緒に設定しておくと、変換時にそのコメントが表示されるようになります。
「コメント形式」では、そのコメントの表示設定ができます。
項目 | 内容 | 備考 |
---|---|---|
コメント位置 | 「指摘個所(指摘箇所の間違い?)」と「専用ウインドウ」で選択 | 「専用ウインドウ」の方が分かりやすいのでオススメ |
コメントの境界表示 | 表示時にコメントを囲む括弧の選択 | |
コメントを表すマーク | コメントの前に表示させる記号を選択 |
警告
操作ミスをしたときに、そのアラートや警告音を鳴らすかどうか設定できます。
- アラートを表示する
- 警告音を鳴らす
キーボード配列
「キーボード配列」では使っているキーボードの配列を選択できます。
自分は外付けのUSキーボードを使っているので、「US キーボードの配列」を設定しています。
項目 | 内容 | 備考 |
---|---|---|
英字入力時のキーボード配列 | キーボード配列の指定 | |
キーボード配列の種類を変更する | 上記の設定でもうまく反応しない場合はここで設定 | 「英字入力時のキーボード配列」の設定はできなくなる |
特殊
その他の入力補助に関する設定は「特殊」で行います。
項目 | 内容 | 備考 |
---|---|---|
入力・変換モードの継承 | 入力モード・変換モード・表現モードの3つの設定を、 全てのアプリケーションに反映するかどうか | |
caps lockキーの設定 | caps lockをオンにしたときの文字種を選択 | |
カナ入力時の「ゐ・ゑ・ヵ・ヶ・ゎ」入力を 有効にする | カナ入力時に、下記の方法で変換できるようになる
| カナ入力は使わないのでどちらでも問題なし |
カナ入力時に英字後変換で英字に置換する | カナ入力時にF9キーを押すと英字に置換するようになる | |
使い分け解説を行う | オンにすると、変換中の単語の使い分け情報を表示する | control + Wで情報表示 |
読みの修復のツールチップ表示を行う | 間違っている単語の変換の場合にツールチップを表示する | |
WindowsのUnicodeを使用する | WindowsのUnicodeをMacのUnicodeに変換せず使う | |
確定文字列を取り消したときに 学習内容も取り消す | 確定後にdeleteしたり、変換を取り消した場合に学習を取り消す | |
高度な変換処理を行う | ||
自動修復のツールチップ表示を行う | 自動修復を行う単語をツールチップで表示するようになる |
変換補助
「変換補助」では、単語変換時の設定ができます。
項目 | 内容 | 備考 |
---|---|---|
単語コメントを表示する | ユーザー辞書に設定された「コメント」を表示するようになる | |
助詞からの細切れ入力を優先的に変換する | オンにすると、文節を細かく区切って入力しても正しく変換されるようになる | 「の」「は」「で」などの助詞を認識して 変換しないようにしてくれる |
郵便番号辞書変換で、 郵便番号付き住所を表示する | 郵便番号を入力すると、郵便番号付きのツールチップが表示されるようになる | |
挿入ポイント前後の文章を参照して変換する | 入力文字の前後を解析して、それに合うように変換してくれる | この機能がかなり便利 + ATOKならではの機能 |
一時文書学習候補を表示する | 一時文書学習(ATOKインサイト)の候補を表示する | |
送り仮名 | 送り仮名の送り方を設定 | 「本則」が内閣告示の付け方に基づいているので、 とりあえず「本則」で良さそう |
ローマ字立ち直り | 日本語とアルファベットが混ざっている場合に、 日本語で表示できる箇所をどのように扱うかの設定 | 「自動」がうまく意図を理解して反映してくれそう |
URLトリガー変換 | 「http:」や「mailto:」で始まる置換候補を選択したときに、 ブラウザが自動で開いてページを表示するようになる | 不要なのでオフにしておく |
日付
「今日」「明日」などの日付に関係する単語を変換したときに、日付に変換されるようになります。
項目 | 内容 |
---|---|
「今日」などのキーワードから日付に変換する | 「今日」や「明日」などの変換候補に日付を追加する |
日付を別の形式で表した候補を表示する | 日付を入力したときに、別の形式の日付の変換候補も表示する |
ただし、自分の場合は日付の入力はKeyboard Maestroでショートカットキーを実行したときに入力されるようにしているので、この設定はオフにしています(普通に漢字で入力したいのに日付に変換されるのは面倒)。
表示
「表示」では、情報ウインドウの表示・非表示の設定ができます。
項目 | 内容 |
---|---|
情報ウインドウを表示 | 変換候補に同音異義語・電子辞典検索結果・連想変換候補・校正支援機能などの情報を表示させる |
ATOK 2008互換のキー操作で使用する | 電子辞書タブの切り替えをcontrol + Wでできるようにする |
入力支援
「入力支援」では、入力時のミスを自動で修正したり、記号を自動で置換する設定ができます。
ただし、本的に自動で修復されてしまうのは、かえってミスの原因になるので、基本的にオフにしています。
項目 | 内容 | 備考 |
---|---|---|
入力支援を有効にする | 入力支援機能を有効にする | チェックを外すと他の項目は編集不可になる |
確定内容に応じて修正する(ローマ字入力時) | ローマ字入力特有のミスを自動的に修正して、正しく変換されるようになる | |
高度な自動修復を行う | ||
母音の過不足を修正する(ローマ字入力時) | ||
子音の超過を修正する(ローマ字入力時) | ||
Nの過不足を修正する(ローマ字入力時) | ||
「゜」を「゛」に、「゛」を「゜」に修正する (カナ入力時) | ||
「つ」を「っ」に修正する(カナ入力時) | ||
「わ」を「を」に修正する(カナ入力時) | ||
「ぅ」を「う」に修正する(カナ入力時) | ||
あいまいな読みの固有名詞を修正する | ||
英単語のつづりをカタカナ語に変換する (ローマ字入力時) | 英単語のつづりからカタカナに変換してくれる | 「あっpぇ」→「アップル」になる |
長音・句読点の自動置換 | 数字の後の句読点や、アルファベットの後の記号の場合に、 別の文字に置換するようになる |
訂正・学習
1度変換したけど、再度入力しなおした単語を学習する「訂正・学習」に関する設定ができます。
項目 | 内容 |
---|---|
修正履歴を利用した修復候補を提示する | 以前修正したことがある候補を表示する |
付属語における入力誤りの修復候補を提示する | 変換せずに確定した付属語に、ミスがあった場合に修復候補が表示される |
別の単語を使って入力しなおした単語を学習する | 変換したあとに、取り消して入力しなおした単語を学習するようになる |
数値
数字を入力するときの支援機能の設定ができます。
項目 | 内容 | 備考 |
---|---|---|
入力中の数値を推測候補で表示する | 数字を入力したときの候補となる形式と、表示するコメントを指定する | 数字の入力時に桁数を間違えなくなって便利 |
デフォルトだと推測候補が「123,451,000」になっていますが、カンマ区切りで入力することは少ないので「123451000」に変えています(カンマで区切っていないときの方が、コメントの便利さが分かります)。
英語
「英語」では、英語入力モードでの設定ができます。
項目 | 内容 | 備考 |
---|---|---|
英語入力モードでは推測候補の自動表示を 「する(強)」にする | 英語入力に切り替え他ときに、 推測候補の自動表示が「する(強)」に切り替わる | |
和英候補を推測候補として表示する | 入力した日本語に対応する英語の候補を表示する | |
shiftキー + A〜Zで英語入力に切り替える | shift + A〜Zを押したときに、 自動的に英語入力モードに切り替わる | |
英語入力ではスペースバーで空白を入力する | カナ入力ではスペースで変換ですが、 英語入力では空白を入力するようになります | |
スペースや句読点の入力で自動的に確定する | スペースバーや句読点を入力すると、 未確定文字列を確定するようになる | チェックを入れておいた方が使いやすい |
入力文が長くなったら自動的に確定する | 入力文字列がある程度長くなったタイミングで、 自動的に確定するようになる |
スペルチェック
英単語を入力したときのスペルチェックの設定ができます。
項目 | 内容 | 備考 |
---|---|---|
スペルチェック候補を表示する | 候補の中にスペルチェック候補が表示される | スペルは「アメリカ式」に統一しておくのが良さそう |
日本語名称をスペルチェック候補に表示する | 「日本語名称辞書」に登録されている単語が、 スペルチェック候補に表示されるようになる | |
数字を含む単語を指摘する | 「1th」などの数字も含んだミスを指摘する |
文語
変換表現を「文語」にしたときに反映される設定です。
項目 | 内容 |
---|---|
「っ」「ゃ」などを小書きしない | 小書きの文字をすべて通常の大きさにする |
カタカナは対象外とする | カタカナに関しては小書きのまま表示する |
ひらがなをカタカナで表示する | ひらがなで表示されるところをカタカナに変換する |
半角全角変換
半角と全角の変換設定ができます。
項目 | 内容 | 備考 |
---|---|---|
半角全角変換を有効にする | 変換時に半角や全角にするようになる | |
入力中の文字に対しても有効にする | 入力中の文字に従って半角や全角に変換する | この設定は「入力文字種」よりも優先される |
ユーザー単語に対しても有効にする | ユーザー単語に登録した単語にも適用されるようになる | |
後変換操作に対しても有効にする | 後変換時にも半角や全角の変換がされるようになる |
特に記号系は、文章を書くときは全角の方が良いので、個別に全角になるように設定しておくと良さそうです。
句読点変換
スペースバーを押さなくても、句読点を入力したタイミングで自動的に変換する設定です。
項目 | 内容 | 備考 |
---|---|---|
句読点変換を有効にする | 句読点を入力したときに自動的に変換が有効になる | 人によってはオンにした方が使いやすそう |
句点「。.」が入力されたときに 自動的に変換する | 句点入力時に変換が有効 | |
読点「、,」が入力されたときに 自動的に変換する | 読点入力時に変換が有効 | |
疑問符「?」が入力されたときに 自動的に変換する | 疑問符入力時に変換が有効 | |
感嘆符「!」が入力されたときに 自動的に変換する | 感嘆符力時に変換が有効 |
慣れると、スペースバーを押す回数がかなり減るので便利です。
推測変換
単語をを推測して変換してくれる機能の設定ができます。
項目 | 内容 | 備考 |
---|---|---|
推測候補の自動表示 | 推測候補を表示するかどうかの設定 | 「する(強)」だと、1文字目を入力した時点で表示されるようになる |
確定直後に推測候補の自動表示を行う | 確定した文字に応じて、 次に入力する単語を予測して表示するようになる | |
自動的に表示された候補を↓・↑キーで選択する | 推測候補の選択が矢印キーでできるようになる | |
半角全角変換の設定や、入力文字にあわせて 候補を変更する | 設定や入力文字に合わせて、半角や全角の変換をするようになる | |
ユーザー単語に対しても有効にする | 登録したユーザー単語にも設定を反映する | |
推測候補の情報を情報ウインドウに表示する | 情報がある場合は情報ウインドウに表示するようになる |
追加する候補
推測候補の中に追加する候補を設定できます。
項目 | 内容 |
---|---|
複数文節からなる候補を表示する (推測フォロー変換) | 複数の文節を入力しているときにも推測候補を表示する |
入力誤りから類推される候補を表示する | 入力ミスと思われる場合に、訂正済みの適切な単語を推測して表示してくれる |
郵便番号の入力時に住所を表示する | 郵便番号3桁 + ハイフンを入力すると、対応する住所を表示してくれる (入力するたびに絞り込まれていく) |
現在の日時を表示する | 「2020」などと入力したときに現在の日時を候補に表示してくれる |
特定のフレーズにあてはまる漢字を表示する | 「きゅうじたいのさい」と入力すると、「齋」が候補に表示されたりする (旧字体、単漢字、部首名から漢字を推測して候補に表示してくれる) |
確定履歴
推測変換で使用した確定履歴の設定ができる。
確定履歴の設定は下記の4つの中から選択できます。
- しない
- メモリに保存する
- よく使う履歴だけをファイルに保存する
- ファイルに保存する
個人的にはすべてファイルに保存する必要もないので、「よく使う履歴だけをファイルに保存する」にしています。
省入力データ
設定したデータを使って推測候補を表示する「省入力データ」の設定ができます。
基本的にどれも使うデータですし、候補はある程度あった方が役に立つので、すべてオンにしておくので良さそうです。
連想変換
連想変換辞書を使って候補を表示する「連想変換」の設定ができます。
項目 | 内容 | 備考 |
---|---|---|
連想変換を有効にする | 「連想変換辞書の内容」で選択された辞書が候補として表示されるようになる | |
候補がある時ツールチップを表示する | 連想変換の候補の表示方法がツールチップで表示される | |
候補ウインドウで表示する(オフの場合、 類語ファインダーで表示されます) | 候補ウインドウで表示されるようになる | 候補ウインドウの方が自然なので、チェックを入れる |
和英自動モード変更
あらかじめ設定した文字列を入力した直後に限って、一時的に和英の入力モードを変更できます。
あまり意識して使うことはないので、デフォルトのままにしておきます(完全に使わないなら無効化でも良いかもしれません)。
候補ウインドウ
単語変換時の「候補ウインドウ」に関する設定ができる。
項目 | 内容 | 備考 |
---|---|---|
候補ウインドウ表示までに必要な変換回数 | 2が1番使いやすい | |
カナ入力時の「ぬ(1)」〜「わ(0)」キーの動作 | 1〜0のキーを押したときに、 変換候補の選択をするか、普通に文字入力をするか選択 | |
候補選択キー | 「数字(1〜0)」か「英字(A〜L)」を選択 | |
候補ウインドウに補助情報を表示 | 文字種や半角全角の情報を候補ウインドウに表示するようになる |
追加する候補
半角全角を候補や後変換候補として表示させるかどうかの設定ができます。
必要に応じて、候補に追加したい項目にチェックを入れます。
自分の場合はひとまずデフォルトのまま使用しています。
0キー切替
候補表示時に0キーを押すと、項目をスクロールして次の候補に切り替える「0キー切替」の設定ができます。
一気にスクロールしたいときに、矢印を連打しなくて済むので地味に便利です。
また、アニメーションはあった方が分かりやすいので「0キー切替でアニメーションを行う」にはチェックを入れておきます。
デザイン
ATOKパレットや候補ウインドウのデザインやフォントの設定ができます。
プライバシー
「プライバシー」という名前ですが、学習機能をオフにするかどうかの設定と、学習情報のクリアができます。