WebDesigner's Memorandumウェブデザイナーの備忘録

ATOKの辞書をmacOS標準の日本語入力のユーザ辞書にインポートする方法

ATOKの辞書をmacOS標準の日本語入力のユーザ辞書にインポートする方法

普段Macの日本語入力にはATOKを使っています。
macOS標準の日本語入力に比べて、機能も豊富でかなり細かい設定ができたり、変換の気の利きようも比べものになりません。

そんなATOKに、どんどん単語登録をしていってるのですが、iPhoneやiPadなどのMac以外の文字入力になると、その登録した単語が使えません。

iPhoneとの連携を考えると、macOS標準のユーザ辞書にATOKの辞書をインポートするのが1番てっ取り早いと思い、試してみました。

ATOKの辞書をエクスポート

まずは辞書をエクスポートするところからです。
ATOKの[辞書ユーティリティ]を起動して、メニューの[ツール]→[単語・用例の一覧出力…]を選択して、「単語出力」をします。

このとき、「Unicodeで出力する」にチェックが入っていることを確認するのと、人によっては「対象品詞」を「普通名詞」など一部にしておきましょう。

ATOKの辞書をエクスポート

設定と、ファイルの出力先を決めたら「出力」をクリックしてエクスポートします。

macOS標準の辞書形式に編集

出力したファイルは.txt形式ですが、それをmacOS標準の辞書形式の.plistに編集する必要があります。
かなりがっつり編集するので、使うテキストエディタはJedit Ωがオススメです。

まずは.txtファイルの1番上にある!!部分を削除します。

ATOKからエクスポートした状態

そのあとは最終的に下記の形式にする必要がるので、Jedit Ωの検索・置換機能を使って近づけていきます。

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<!DOCTYPE plist PUBLIC "-//Apple//DTD PLIST 1.0//EN" "http://www.apple.com/DTDs/PropertyList-1.0.dtd">
<plist version="1.0">
<array>
  <dict>
    <key>phrase</key>
    <string>へんかん</string>
    <key>shortcut</key>
    <string>変換</string>
  </dict>
  <dict>
    <key>phrase</key>
    <string>きーわーど</string>
    <key>shortcut</key>
    <string>キーワード</string>
  </dict>
</array>
</plist>

行を<dict>で囲む

Jedit Ωの[検索]→[検索…(command + F)]で検索パネルを開きます。
あとは「検索:」と「置換:」に下記の正規表現を追加するのと、下の「正規表現」にチェックを入れて「すべてを置換」します。

\n
\n</dict>\n<dict>\n

Jeditの検索置換機能

これで行が<dict>で囲まれます。

名詞の削除

次に1番右の列にある「名詞」は不要なので、下記の正規表現で名詞を削除します。

\t名詞*
 

「置換:」の方は空にしておくことで、単に削除できます。

 

名詞をいろいろ追加している人はこの作業が少し面倒になります。

変換前のキーワードを編集

次にタブ前(1番左の列)に<key>phrase</key>を追加するのと、<string>で囲みます。

(.*)(?=\t)
<key>shortcut</key>\n<string>$1</string>

自分の正規表現の書き方が悪いのか、なぜか2個追加されてしまうので2個目の方は削除しておきます。

<key>shortcut</key>\n<string></string>
 

変換後の単語を編集

タブ後(左から2列目)に<key>shortcut</key>を追加するのと、<string>で囲みます。

(?<=\t)(.*)
<key>phrase</key>\n<string>$1</string>

余計なタブを削除

最後に余計なタブを消して、改行にしておきます。

\t
\n

.plistに変更

あとは最初に紹介した下記のテンプレートの<array>の中身に編集したリストを追加して.plist形式で保存します。

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<!DOCTYPE plist PUBLIC "-//Apple//DTD PLIST 1.0//EN" "http://www.apple.com/DTDs/PropertyList-1.0.dtd">
<plist version="1.0">
<array>
  <dict>
    <key>phrase</key>
    <string>へんかん</string>
    <key>shortcut</key>
    <string>変換</string>
  </dict>
  <dict>
    <key>phrase</key>
    <string>きーわーど</string>
    <key>shortcut</key>
    <string>キーワード</string>
  </dict>
</array>
</plist>

macOS標準の辞書形式にインポート

あとは[システム環境設定]の[キーボード]→[ユーザ辞書]に.plistファイルをドラッグアンドドロップするとインポートできます。

macOS標準の辞書形式へのインポート

1行でも形式が崩れているとインポートしてくれないので、ちゃんとインポートされない場合は.plistファイル内を見ておかしなところがないか確認しましょう。

また、数千行を超えたファイルをインポートする場合は少し時間がかかります。

著者について

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サイトウ マサカズ@31mskz10

1997年生まれ。2016年から専門学校でデザインについて勉強。卒業後は神戸の制作会社「N'sCreates」にウェブデザイナーとして入社。このブログでは自分の備忘録も兼ねて、ウェブに関する記事や制作環境を効率的に行うための記事を書いています。

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